家族葬は、親族や親しい友人など、限られた人々だけで行う少人数の葬儀形式です。参列者の数を抑えることで、静かで温かい空間を作り、遺族が落ち着いて故人を見送れることが最大の特徴です。

一般葬との違い

・一般葬は、親族だけでなく会社関係者や友人など、多くの人が参列する形式です。伝統的な儀式を重視し、祭壇も大規模なものが設置されるため、運営の手間や費用が増大する傾向にあります。

・一方、家族葬では通夜や告別式の内容を自由に決められるため、遺族の希望を反映した個性的な葬儀が可能です。たとえば、好きな音楽を流したり、思い出の品を展示するなど、オリジナルな演出が好まれます。

家族葬は、宗教の形式にこだわらず、遺族の希望に合わせて進めることができます。ここでは、仏教形式と無宗教形式の違いを見てみましょう。

1.仏教形式の家族葬

仏教に基づく家族葬では、僧侶を呼んで読経や焼香を行い、戒名が授与されます。仏教儀式を簡略化したプランもあり、遺族が精神的な負担を減らせるように配慮されます。

・僧侶への謝礼（お布施）：5万～10万円

・メリット：伝統的な儀式を守りつつも、家族だけで心静かに送れる。

2.無宗教形式の家族葬

無宗教の家族葬は、宗教儀式を省き、自由な形式で進められるため、音楽や手紙の朗読、写真スライドなど、遺族や故人の個性が反映されます。最近では、「思い出の会」や「音楽葬」なども人気です。

・メリット：形式にとらわれないため、遺族の希望に応じた柔軟な対応ができる。

・例：生前好きだった曲を流しながら、遺族と友人が思い出を語り合う。

・香典辞退のケースが多い

家族葬では香典を辞退することが一般的ですが、参列者は事前に確認が必要です。香典辞退の案内がある場合は、代わりに弔電や献花を送るのがマナーです。

・香典の金額相場

一般的に、親族の場合は 1万円～5万円、友人や知人の場合は 5000円～1万円程度が目安となります。

・喪服の準備

家族葬でも正式な場であるため、基本的には喪服を着用することが推奨されます。ただし、遺族からの希望がある場合は、準喪服や黒のビジネススーツでも問題ありません。

・簡易な服装でも許されるケース

「平服でお越しください」と案内されることもありますが、その場合でも黒やグレーなど落ち着いた色合いの服装を心がけましょう。